説明:動画では物質の構成単位である分子の動きをシミュレーションした結果を見せています。上部には水分子(H2O)が酸素:赤丸, 水素:白丸で, 下部には電極の白金(Pt)が金色の丸で示されています。水の中にある黄色丸はH3O+イオンです。
電極と水溶液の界面で起こる電気化学反応を扱うことは計算物質科学の重要なテーマです。このシミュレーションでは燃料電池(注1)の電極で起こる水素もしくはプロトン(注2)の移動反応を計算しています。動画では一つの H3O+イオンが分離してH2OとHになる、プロトン(注2)受け渡しの様子が計算から捉えられました。このプロトン移動を反応式で書くと
H3O+ + e− → H + H2O
という基礎的な反応ですが、そのメカニズムの詳細に関しては未だ議論が存在します。理論G内の研究室ではこのような反応メカニズムの解明に向けて日々研究を行なっています。より詳しく知りたい方は以下研究室HPをご覧ください。
杉野研究室リンク:https://sugino.issp.u-tokyo.ac.jp
注1:燃料電池は水の電気分解の逆反応を利用し,水素と酸素を反応させて直接電気を発生させる装置です。
注2:水素(H)は陽子(プロトン)一つから構成されます。反応式はプロトンを受け渡す過程と解釈できます。